現場が望む社会保障制度
「患者中心の医療」を考える
第11回
東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳
2016年4月1日号
無人島の生活を描いた18世紀の小説『ロビンソン・クルーソー』に医療に関する場面がある。主人公のロビンソン・クルーソーが2週間以上も悪寒と頭痛に見舞われたという描写である。しかし、文明から隔絶した孤島で医療資源にアクセスできず、周囲に看病してくれる人さえいない。そこでクルーソーはタバコに漬けたラム酒を飲み、危機を乗り切った。
私は医療専門職ではないが、医学的に有り得ないことはわかる。実際、小説でも「まぐれ当たりもあろうかと、いろいろ実験的にためした」「筋肉や四肢のけいれんに悩まされた」として、他人には薦められないとしている。
しかし、クルーソーの行動は自分の健康を自分で守ろうとする究極的な姿と言える。絶海の孤島での健康悪化という切羽詰まった状況のなか、治療方針を自ら決定することで、直面する病を克服したのだ。今回...
無人島の生活を描いた18世紀の小説『ロビンソン・クルーソー』に医療に関する場面がある。主人公のロビンソン・クルーソーが2週間以上も悪寒と頭痛に見舞われたという描写である。しかし、文明から隔絶した孤島で医療資源にアクセスできず、周囲に看病してくれる人さえいない。そこでクルーソーはタバコに漬けたラム酒を飲み、危機を乗り切った。
私は医療専門職ではないが、医学的に有り得ないことはわかる。実際、小説でも「まぐれ当たりもあろうかと、いろいろ実験的にためした」「筋肉や四肢のけいれんに悩まされた」として、他人には薦められないとしている。
しかし、クルーソーの行動は自分の健康を自分で守ろうとする究極的な姿と言える。絶海の孤島での健康悪化という切羽詰まった状況のなか、治療方針を自ら決定することで、直面する病を克服したのだ。今回は
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