医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

薬剤経済学

経済的評価と給付設計

第10回 質調整年費用は臨床結果の妥協に?

2016年4月1日号

 IMSヘルスケア・インフォマティクス研究所の「質調整生存年(QALY)当たり費用払戻し評価基準の抗がん剤アクセスへの影響」(2014年12月)は、QALY当たり費用(CPQ)という経済的評価を薬剤給付の判断指針に据えるCPQ5ヵ国の薬剤アクセスと方法論を問題にしており、「医療制度にいいように見える低費用が抱える代価の可能性」として、アクセスと支出額の抑制が臨床結果を抑えるかたちで跳ね返る危険を示唆している。 診断と治療の成功=臨床パフォーマンスを見る全がん発生率を死亡率で割った指標を縦軸、5年の生存に要する患者1人当たり費用で測った経済パフォーマンスを横軸にした図によれば、厳しい経済的評価に立って給付適用を決める英国は、低費用だが生存の指標も劣っていることがわかる。しかし、非CPQ国のスペインの状況は英国と似ており、抗がん剤に厳しい姿勢をとるオ...  IMSヘルスケア・インフォマティクス研究所の「質調整生存年(QALY)当たり費用払戻し評価基準の抗がん剤アクセスへの影響」(2014年12月)は、QALY当たり費用(CPQ)という経済的評価を薬剤給付の判断指針に据えるCPQ5ヵ国の薬剤アクセスと方法論を問題にしており、「医療制度にいいように見える低費用が抱える代価の可能性」として、アクセスと支出額の抑制が臨床結果を抑えるかたちで跳ね返る危険を示唆している。 診断と治療の成功=臨床パフォーマンスを見る全がん発生率を死亡率で割った指標を縦軸、5年の生存に要する患者1人当たり費用で測った経済パフォーマンスを横軸にした図によれば、厳しい経済的評価に立って給付適用を決める英国は、低費用だが生存の指標も劣っていることがわかる。しかし、非CPQ国のスペインの状況は英国と似ており、抗がん剤に厳しい姿勢をとるオー

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence