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医政羅針盤

特例拡大再算定と費用対効果評価の関係

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2016年4月1日号

 今回の薬価制度改革では、年間販売額が極めて大きい医薬品に適用される「特例拡大再算定」の新設が注目を集めた。対象となるのは4成分6品目だが、この制度について、製薬業界からは、イノベーションを阻害してしまうとの批判が根強くある。薬剤費抑制が強く求められているなか、やむを得ない面がある一方、些か安直で場当たり的な方法であるとの印象も拭い切れない。  イノベーションを促進する必要があるとしても、政府が医療費抑制をめざしているなか、薬剤費の高さがとくに大きな問題となっている。日本の薬剤費比率は20%台前半で高止まりしているが、1人当たり薬剤費は、OECD加盟国中、米国に次いで高く、薬剤費の対GDPを見ると、米国を上回る水準にまで上昇しているのである。しかも、日本では長年にわたり、「モノ」に比べて「技術」の評価がかなり低く抑えられてきた。医療費の配分の...  今回の薬価制度改革では、年間販売額が極めて大きい医薬品に適用される「特例拡大再算定」の新設が注目を集めた。対象となるのは4成分6品目だが、この制度について、製薬業界からは、イノベーションを阻害してしまうとの批判が根強くある。薬剤費抑制が強く求められているなか、やむを得ない面がある一方、些か安直で場当たり的な方法であるとの印象も拭い切れない。  イノベーションを促進する必要があるとしても、政府が医療費抑制をめざしているなか、薬剤費の高さがとくに大きな問題となっている。日本の薬剤費比率は20%台前半で高止まりしているが、1人当たり薬剤費は、OECD加盟国中、米国に次いで高く、薬剤費の対GDPを見ると、米国を上回る水準にまで上昇しているのである。しかも、日本では長年にわたり、「モノ」に比べて「技術」の評価がかなり低く抑えられてきた。医療費の配分のあ

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