経済記事の読み方
介護事業に「舵を切る」保険業界
本業が頭打ちで新たな収益源を探す
2016年4月1日号
「知恵もカネもないのに開業したがる連中が多すぎる。ガバナンスのしっかりした大手企業に任せるしかないね」
医療・介護業界に長く勤め、関係省庁の研究会にも顔を出すベテランケアマネジャーが既知の官僚からこう聞かされたのは、数年前のことだった。もともと看護師だったケアマネ氏は、医療機関に比べて劣悪な職場環境のもとで、けなげに働く介護士たちに同情的。大手の保険会社など、まともな企業が参入するのは業界の待遇改善のためには大歓迎と考える。その一方で、介護業界を巡るこのところの動きに釈然としないものを感じてもいる。
「政府が介護離職ゼロといったそばから大手損保が居酒屋の介護子会社を買収した。2ヵ月後には、その居酒屋の過労死裁判が和解になる。殺人事件があった川崎市の老人ホームは犯人が逮捕される前に買収が決まった。政策推進のために、国が介護業界と保険業界の...
「知恵もカネもないのに開業したがる連中が多すぎる。ガバナンスのしっかりした大手企業に任せるしかないね」
医療・介護業界に長く勤め、関係省庁の研究会にも顔を出すベテランケアマネジャーが既知の官僚からこう聞かされたのは、数年前のことだった。もともと看護師だったケアマネ氏は、医療機関に比べて劣悪な職場環境のもとで、けなげに働く介護士たちに同情的。大手の保険会社など、まともな企業が参入するのは業界の待遇改善のためには大歓迎と考える。その一方で、介護業界を巡るこのところの動きに釈然としないものを感じてもいる。
「政府が介護離職ゼロといったそばから大手損保が居酒屋の介護子会社を買収した。2ヵ月後には、その居酒屋の過労死裁判が和解になる。殺人事件があった川崎市の老人ホームは犯人が逮捕される前に買収が決まった。政策推進のために、国が介護業界と保険業界の間で
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