医薬経済オンライン

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平時医療体制の破錠に備える 〜電光石火こそ最良の有事医療〜

対応能力の限界は意外に低い

第1回

一般社団法人TACMEDA協議会理事長 照井資規

2016年4月1日号

 日本は世界で最も安全な国であり、世界中で好印象を持たれている国でもある。  救急医療についても、119番通報の覚知から救急車が現場に到着するまでに「平均6分程度」であるように、その体制が整えられた国のひとつに数えられる。  しかし現在、私たちが享受している救急医療体制が、脆くも破綻してしまう危機が発生する蓋然性が意外にも高いこともまた、日本の特徴と言える。 「災害大国・日本」と呼ばれるように、平時医療体制が破綻してしまう要因の最たるものとしては、自然災害がまず思い浮かぶ。95年1月17日、阪神・淡路大震災が起こった当時、私はテレビ局で報道番組の制作に携わっていた。  同年3月20日には地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件、通称「地下鉄サリン事件」と呼ばれる、神経ガスの一種サリン類似物を使用した同時多発テロ事件が発生した。  6月21日には日本で初めて強行突入...  日本は世界で最も安全な国であり、世界中で好印象を持たれている国でもある。  救急医療についても、119番通報の覚知から救急車が現場に到着するまでに「平均6分程度」であるように、その体制が整えられた国のひとつに数えられる。  しかし現在、私たちが享受している救急医療体制が、脆くも破綻してしまう危機が発生する蓋然性が意外にも高いこともまた、日本の特徴と言える。 「災害大国・日本」と呼ばれるように、平時医療体制が破綻してしまう要因の最たるものとしては、自然災害がまず思い浮かぶ。95年1月17日、阪神・淡路大震災が起こった当時、私はテレビ局で報道番組の制作に携わっていた。  同年3月20日には地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件、通称「地下鉄サリン事件」と呼ばれる、神経ガスの一種サリン類似物を使用した同時多発テロ事件が発生した。  6月21日には日本で初めて強行突入が

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