医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

論点

認知症列車事故裁判は国会の不作為の産物

認知症700万人社会到来の前に民法改正を

参院議員政策担当秘書 岡田裕二

2016年4月1日号

 認知症は高齢社会の日本に突き付けられた深刻な課題だ。厚生労働省によると、12年時点で認知症高齢者は国内に約460万人いると推計され、25年には約700万人にも膨れ上がる。65歳以上の5人に1人が認知症になる計算だ。  そんななか、3月1日に最高裁が判決を下した認知症列車事故訴訟は、世間の多くの耳目を集めた。事故は07年12月、愛知県大府市で発生した。認知症で「要介護4」だった当時91歳の男性が、当時85歳だった妻がうたた寝をした隙に外出し、駅構内で電車にはねられたというものだ。JR東海が列車の遅延損害金など約720万円の損害賠償を求めて、遺族側を提訴したが、最高裁は名古屋高裁判決を破棄し、男性の妻と長男の賠償責任を認めず、JR東海の敗訴が確定した。  最高裁判決には、特別養護老人ホームなど認知症高齢者の受け入れ態勢が十分に整っておらず、...  認知症は高齢社会の日本に突き付けられた深刻な課題だ。厚生労働省によると、12年時点で認知症高齢者は国内に約460万人いると推計され、25年には約700万人にも膨れ上がる。65歳以上の5人に1人が認知症になる計算だ。  そんななか、3月1日に最高裁が判決を下した認知症列車事故訴訟は、世間の多くの耳目を集めた。事故は07年12月、愛知県大府市で発生した。認知症で「要介護4」だった当時91歳の男性が、当時85歳だった妻がうたた寝をした隙に外出し、駅構内で電車にはねられたというものだ。JR東海が列車の遅延損害金など約720万円の損害賠償を求めて、遺族側を提訴したが、最高裁は名古屋高裁判決を破棄し、男性の妻と長男の賠償責任を認めず、JR東海の敗訴が確定した。  最高裁判決には、特別養護老人ホームなど認知症高齢者の受け入れ態勢が十分に整っておらず、介護

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence