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医政羅針盤

安倍政権における設計主義的変革志向

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2016年3月15日号

 先日、都内で開催された講演会で、日本福祉大学の二木立学長のお話を聴く機会があった。講演のなかで、二木学長は、安倍晋三政権の政策は、新自由主義的な志向が強い一方で、政府が経済界に介入するという、相反する流れも出現しており、こうした状況をどのように理解すべきか、解釈が難しいと述べておられた。  産業競争力会議や規制改革会議に象徴されるように、12年12月の政権奪還以降、安倍首相は「岩盤規制の打破」を掲げ、規制緩和や自由化による成長戦略をめざしてきた。実際には、当初大見得を切っていたほどの劇的な制度改正は多くない。それだけ「岩盤」は強固であり、掛け声倒れに終わっていると言えるかもしれない。しかし、安倍首相周辺から発せられる議論に、新自由主義的な傾向が色濃く出ているのは間違いない。  他方で、経済再生を第一に掲げながらも、景気の先行き不透明感が強ま...  先日、都内で開催された講演会で、日本福祉大学の二木立学長のお話を聴く機会があった。講演のなかで、二木学長は、安倍晋三政権の政策は、新自由主義的な志向が強い一方で、政府が経済界に介入するという、相反する流れも出現しており、こうした状況をどのように理解すべきか、解釈が難しいと述べておられた。  産業競争力会議や規制改革会議に象徴されるように、12年12月の政権奪還以降、安倍首相は「岩盤規制の打破」を掲げ、規制緩和や自由化による成長戦略をめざしてきた。実際には、当初大見得を切っていたほどの劇的な制度改正は多くない。それだけ「岩盤」は強固であり、掛け声倒れに終わっていると言えるかもしれない。しかし、安倍首相周辺から発せられる議論に、新自由主義的な傾向が色濃く出ているのは間違いない。  他方で、経済再生を第一に掲げながらも、景気の先行き不透明感が強まる

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