読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
治験が進まぬ理由を知りたい
第45回
鍛冶孝雄
2016年3月15日号
2月15日号で自分の祖先、縁者がどのように亡くなったのかを調べたと書いたが、そのときは主に直接的死因を中心に眺めていた。紙面が限られているので触れなかったが、自分を軸にすると、近い親族ほど短命か長命かが鮮明に分かれること、長命だった者は、かなりの確率で認知症か、それに近い状態だったこともわかった。
父方、母方も祖父は80歳近くまで生きたが、父方は75歳を超えてから、母方は70歳前に認知症になった。母方のほうがやや年齢が上だったが、発症が比較的若かっただけに、身体は頑健で、家族の介護は長期間、苦労を強いられた。父方は認知機能の低下速度も緩やかで、介護の苦労はあまりなかった。
双方の祖父がとった認知症初期に共通する行動を私は明確に覚えている。彼らは、まだ若かった私を呼びつけると、自分の子どもたちの名を年齢順に書かせた。...
2月15日号で自分の祖先、縁者がどのように亡くなったのかを調べたと書いたが、そのときは主に直接的死因を中心に眺めていた。紙面が限られているので触れなかったが、自分を軸にすると、近い親族ほど短命か長命かが鮮明に分かれること、長命だった者は、かなりの確率で認知症か、それに近い状態だったこともわかった。
父方、母方も祖父は80歳近くまで生きたが、父方は75歳を超えてから、母方は70歳前に認知症になった。母方のほうがやや年齢が上だったが、発症が比較的若かっただけに、身体は頑健で、家族の介護は長期間、苦労を強いられた。父方は認知機能の低下速度も緩やかで、介護の苦労はあまりなかった。
双方の祖父がとった認知症初期に共通する行動を私は明確に覚えている。彼らは、まだ若かった私を呼びつけると、自分の子どもたちの名を年齢順に書かせた。自
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