医薬経済オンライン

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HOLMES & VACCINE

切り札も失った製薬業界

第19回〜 ICHがもたらしたもの〜

コイツ・ドナン

2016年3月1日号

【あらすじ】医薬品探偵ホームズと友人のワクチン博士は製薬産業の将来像を推理している。90年代に日本の製薬企業を潤した脳循環代謝改善薬。海外ではほとんどお目にかからない、この医薬品を、ホームズは「ローカル・ドリーム新薬」と名付けた。しかし、医療保険財政が悪化してきた当時、大蔵省がこの医薬品の効果を疑問視し、「ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)ガイドライン」の導入など環境変化が起こった結果、脳循環代謝改善薬は再評価を受け、ほとんどが市場から消え去った。抗生物質バブルと似たような、日本市場独特のバブルだった。  ホームズの話を受けて、私は考え込んだ。 「ホームズ。要するに審査基準が緩かった時代は、極端な話だが『薬』とわかれば承認された。上市後は、豪華な接待攻勢で医師に処方をさせ、経営者には薬価差益を提供していたはずだ。こうしたことで得た利益... 【あらすじ】医薬品探偵ホームズと友人のワクチン博士は製薬産業の将来像を推理している。90年代に日本の製薬企業を潤した脳循環代謝改善薬。海外ではほとんどお目にかからない、この医薬品を、ホームズは「ローカル・ドリーム新薬」と名付けた。しかし、医療保険財政が悪化してきた当時、大蔵省がこの医薬品の効果を疑問視し、「ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)ガイドライン」の導入など環境変化が起こった結果、脳循環代謝改善薬は再評価を受け、ほとんどが市場から消え去った。抗生物質バブルと似たような、日本市場独特のバブルだった。  ホームズの話を受けて、私は考え込んだ。 「ホームズ。要するに審査基準が緩かった時代は、極端な話だが『薬』とわかれば承認された。上市後は、豪華な接待攻勢で医師に処方をさせ、経営者には薬価差益を提供していたはずだ。こうしたことで得た利益で

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