医薬経済オンライン

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薬剤経済学

経済的評価と給付設計

第8回 費用対効果比による〝適正価格〟の指示

2016年3月1日号

 エモリー大学のダニエル・ゴールドスタインらによる「ネシツムマブ(ポルトラッザ)の転移性扁平性非小細胞肺がん治療に対する価値に基づいた費用の構築」は、少し粗っぽいものの〝普通の〟費用対効果分析である。 だが、JAMA−Oncologyのオンライン掲載は2015年8月27日のことで、11月に下りた同剤のFDA(米国食品医薬品局)承認、12月のイーライリリーによるリスト価格発表を待たずに、SQUIRE試験など公表された臨床データに基づくと月1870ドルが相応と、外部から薬価の〝適正〟水準を指し示した珍しい研究だ(表1)。ただ結局、リリーはポルトラッザに月1万1430ドル、研究が示唆した6倍の価格を付けた。 承認後間もなく新薬評価を公表、製薬業界との給付適用・価格交渉の指針にする活動を民間医療技術評価機関ICERと保険・経営者グループが始め、米国の新薬受け入れの新しい要素と...  エモリー大学のダニエル・ゴールドスタインらによる「ネシツムマブ(ポルトラッザ)の転移性扁平性非小細胞肺がん治療に対する価値に基づいた費用の構築」は、少し粗っぽいものの〝普通の〟費用対効果分析である。 だが、JAMA−Oncologyのオンライン掲載は2015年8月27日のことで、11月に下りた同剤のFDA(米国食品医薬品局)承認、12月のイーライリリーによるリスト価格発表を待たずに、SQUIRE試験など公表された臨床データに基づくと月1870ドルが相応と、外部から薬価の〝適正〟水準を指し示した珍しい研究だ(表1)。ただ結局、リリーはポルトラッザに月1万1430ドル、研究が示唆した6倍の価格を付けた。 承認後間もなく新薬評価を公表、製薬業界との給付適用・価格交渉の指針にする活動を民間医療技術評価機関ICERと保険・経営者グループが始め、米国の新薬受け入れの新しい要素とし

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