医政羅針盤
療養病床見直しの方向性と今後の課題
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2016年3月1日号
長期療養の必要な患者が入院する療養病床の再編に向けて、厚生労働省の検討会が新たなサービス類型の選択肢をまとめた。療養病床を巡る議論の混乱は、06年の医療制度改革に遡る。10年前と比較すると、私は2つの点で今回の検討会の議論を評価している。
評価できる第1点目は、政策決定プロセスである。厚労省が05年12月に療養病床再編計画を打ち出したとき、それはあまりに唐突な発表だった。当時、医療療養病床が25万床、介護療養病床が13万床あったが、それを12年度までに医療療養病床のみ、15万床へ削減するという、かなりドラスティックな方針だった。これは、積年の課題として指摘されてきた、いわゆる「社会的入院」の是正をめざしたものだ。
ところが、十分な検討の末に示されたわけではなく、医療制度改革関連法案提出直前の土壇場になって、突如として出てきた方針であり、厚労省内部でも...
長期療養の必要な患者が入院する療養病床の再編に向けて、厚生労働省の検討会が新たなサービス類型の選択肢をまとめた。療養病床を巡る議論の混乱は、06年の医療制度改革に遡る。10年前と比較すると、私は2つの点で今回の検討会の議論を評価している。
評価できる第1点目は、政策決定プロセスである。厚労省が05年12月に療養病床再編計画を打ち出したとき、それはあまりに唐突な発表だった。当時、医療療養病床が25万床、介護療養病床が13万床あったが、それを12年度までに医療療養病床のみ、15万床へ削減するという、かなりドラスティックな方針だった。これは、積年の課題として指摘されてきた、いわゆる「社会的入院」の是正をめざしたものだ。
ところが、十分な検討の末に示されたわけではなく、医療制度改革関連法案提出直前の土壇場になって、突如として出てきた方針であり、厚労省内部でも、
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