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一筆入魂

この程度の根拠で「捏造」とは

STAP細胞騒動めぐる2冊の本

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2016年3月1日号

 STAP細胞を巡る本が相次いで出版された。 『あの日 小保方晴子』(講談社・16年1月発行)  そして、その1年前には、毎日新聞の須田桃子記者による『捏造の科学者STAP細胞事件』(文藝春秋・14年12月発行)  騒動の中心実物である小保方氏による『あの日〜』を読み終えると、どうしても、それを追及した『捏造〜』を読んでみたくなった。  2冊を読み比べると、STAP細胞騒動の本質が見えてくるのではないかと期待したからだ。だが、「捏造」とマスコミに断じられたSTAP細胞騒動の顛末を見極めるのは、容易ではない。  確かに『あの日〜』を読む限り、STAP細胞が万能性を獲得し、その細胞を移植したキメラマウスを誕生させる一連の研究は、拙いものだったことはよくわかる。  実験に没頭していた女性が、その途上で、ある日突然、失敗した細胞を「捨てるのが惜しくて」培養庫...  STAP細胞を巡る本が相次いで出版された。 『あの日 小保方晴子』(講談社・16年1月発行)  そして、その1年前には、毎日新聞の須田桃子記者による『捏造の科学者STAP細胞事件』(文藝春秋・14年12月発行)  騒動の中心実物である小保方氏による『あの日〜』を読み終えると、どうしても、それを追及した『捏造〜』を読んでみたくなった。  2冊を読み比べると、STAP細胞騒動の本質が見えてくるのではないかと期待したからだ。だが、「捏造」とマスコミに断じられたSTAP細胞騒動の顛末を見極めるのは、容易ではない。  確かに『あの日〜』を読む限り、STAP細胞が万能性を獲得し、その細胞を移植したキメラマウスを誕生させる一連の研究は、拙いものだったことはよくわかる。  実験に没頭していた女性が、その途上で、ある日突然、失敗した細胞を「捨てるのが惜しくて」培養庫に保

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