医薬経済オンライン

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巨額再算定が生む「禍根」

起こり得るのは外資の日本離れだけではない

2016年2月15日号

 16年度薬価改定で、「特例拡大再算定」(巨額再算定)というまれに見る愚策が導入され、医薬品市場への深刻な懸念が生じているのは、すでに周知の通りだ。このルールは、日本市場の長期的な地位低下に〝大きく寄与〟することになるだろう。  巨額再算定は、制度導入ありきで議論が進んでいたように思える。  発端は15年7月の中央社会保険医療協議会・薬価専門部会における薬価算定組織からの意見だ。同組織の清野精彦委員長は売上高が「巨額」に達した製品への懸念を表明した。この時点では、16年4月にこのような制度が導入されることはないだろうと見ていたが、それからの薬価専門部会では、製薬業界の反論が真剣に検討されることはなかった。  1000億円という閾値は感覚的にわかりやすい基準ではある。ただ、これも議論当初から意識されていたのではないか。新薬創出・適応外薬解消等促進加算や...  16年度薬価改定で、「特例拡大再算定」(巨額再算定)というまれに見る愚策が導入され、医薬品市場への深刻な懸念が生じているのは、すでに周知の通りだ。このルールは、日本市場の長期的な地位低下に〝大きく寄与〟することになるだろう。  巨額再算定は、制度導入ありきで議論が進んでいたように思える。  発端は15年7月の中央社会保険医療協議会・薬価専門部会における薬価算定組織からの意見だ。同組織の清野精彦委員長は売上高が「巨額」に達した製品への懸念を表明した。この時点では、16年4月にこのような制度が導入されることはないだろうと見ていたが、それからの薬価専門部会では、製薬業界の反論が真剣に検討されることはなかった。  1000億円という閾値は感覚的にわかりやすい基準ではある。ただ、これも議論当初から意識されていたのではないか。新薬創出・適応外薬解消等促進加算や基礎

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