医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

米国の値上げなくして製薬大手は生き残れるか

第107回

医薬評論家 五條正也

2016年2月15日号

 2月1日、インド最大手のサン・ファーマが米国でノバルティスのトップ製品の抗がん剤「グリベック」の後発品を発売した。最初に登場したチロシンキナーゼ阻害剤で、15年の世界売上高は46.6億ドル、米国で25.3億ドルあり、抗がん剤では世界5位だ。サンの後発品は180日間の独占販売期間を持つため、グリベックの約10%引きとなる400㎎1錠が約378ドルで販売されており、非常に高価だ(日本は100㎎錠のみ)。そのため、サンは民間保険加入者向けに自己負担を月10ドルに値引きするカードを提供している。グリベックも自己負担を最大で月500ドル値引きするカードを提供しており、後発品の自己負担のほうが高ければ使ってもらえない。  それでも米国で後発品が登場した以上、グリベックの今年の米国の売上げは20億ドル以上が消える可能性もある。ノバルティスは15年3月にグラクソ・スミスクラインから「ヴォ...  2月1日、インド最大手のサン・ファーマが米国でノバルティスのトップ製品の抗がん剤「グリベック」の後発品を発売した。最初に登場したチロシンキナーゼ阻害剤で、15年の世界売上高は46.6億ドル、米国で25.3億ドルあり、抗がん剤では世界5位だ。サンの後発品は180日間の独占販売期間を持つため、グリベックの約10%引きとなる400㎎1錠が約378ドルで販売されており、非常に高価だ(日本は100㎎錠のみ)。そのため、サンは民間保険加入者向けに自己負担を月10ドルに値引きするカードを提供している。グリベックも自己負担を最大で月500ドル値引きするカードを提供しており、後発品の自己負担のほうが高ければ使ってもらえない。  それでも米国で後発品が登場した以上、グリベックの今年の米国の売上げは20億ドル以上が消える可能性もある。ノバルティスは15年3月にグラクソ・スミスクラインから「ヴォトリ

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