眺望「医薬街道」
疑義照会の「薬剤費節減」は103億円
近藤正觀
2016年2月15日号
東京理科大学薬学部の鹿村恵明研究室が日本薬剤師会から委託された「15年度全国薬局疑義照会調査報告書」が1月21日公表された。薬剤費の節減額は2年前の82億円から103億円と21億円も増えたと謳っている。 調査は15年7月21〜27日の7日間に実施され、全国の薬局をランダムに抽出、5630軒を対象に行われた。処方箋の「疑義照会」は、医薬分業において患者への適正処方につながる薬剤師の重要な業務である。だが、調剤薬局は医療機関に処方箋を発行してもらう立場なので、処方がおかしいと思っても疑義照会まではやりにくい実態がある。 この研究の主目的は「薬局薬剤師が行う疑義照会の内容を明らかにし、とくに薬学的疑義照会の医療経済的な有用性評価」である。薬局薬剤師が単純に処方箋に書かれた指示通りの医薬品を取り揃えるような調剤業務をしているだけでは「何のための分業なのか」を問われる現...
東京理科大学薬学部の鹿村恵明研究室が日本薬剤師会から委託された「15年度全国薬局疑義照会調査報告書」が1月21日公表された。薬剤費の節減額は2年前の82億円から103億円と21億円も増えたと謳っている。 調査は15年7月21〜27日の7日間に実施され、全国の薬局をランダムに抽出、5630軒を対象に行われた。処方箋の「疑義照会」は、医薬分業において患者への適正処方につながる薬剤師の重要な業務である。だが、調剤薬局は医療機関に処方箋を発行してもらう立場なので、処方がおかしいと思っても疑義照会まではやりにくい実態がある。 この研究の主目的は「薬局薬剤師が行う疑義照会の内容を明らかにし、とくに薬学的疑義照会の医療経済的な有用性評価」である。薬局薬剤師が単純に処方箋に書かれた指示通りの医薬品を取り揃えるような調剤業務をしているだけでは「何のための分業なのか」を問われる現在
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