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OBSERVER

中村純・北九州古賀病院院長/産業医科大学名誉教授/日本精神神経学会理事

2016年2月1日号

ここ数年間は「試行錯誤」──昨年12月1日から労働安全衛生法改正により、50人以上の労働者がいる企業で「ストレスチェック」が制度化されました。中村 労働者は非常にストレスフルな状況に置かれている。昔と比べ、仕事のやり方が随分と変わり、成果主義や裁量労働制を導入する会社も多くなった。この制度は民主党政権時に浮上した「自殺対策」が原点だ。当初はうつ病への早期介入を重視していたが、政権交代の過程で「ストレスチェック」へと趣旨が変わった。 ストレスチェックは、あくまでストレスが高い人を選び出すものだが、ある意味、理想的と言える。いわゆる「心身症」になる人は、自分のストレスが高いことに気付かない人が起こしやすいとされている。例えば、一生懸命働いた結果、胃潰瘍になっていたとか、だ。基本的に自分のストレスに気付くことは大事なことで、ストレスフルな職場環境は改... ここ数年間は「試行錯誤」──昨年12月1日から労働安全衛生法改正により、50人以上の労働者がいる企業で「ストレスチェック」が制度化されました。中村 労働者は非常にストレスフルな状況に置かれている。昔と比べ、仕事のやり方が随分と変わり、成果主義や裁量労働制を導入する会社も多くなった。この制度は民主党政権時に浮上した「自殺対策」が原点だ。当初はうつ病への早期介入を重視していたが、政権交代の過程で「ストレスチェック」へと趣旨が変わった。 ストレスチェックは、あくまでストレスが高い人を選び出すものだが、ある意味、理想的と言える。いわゆる「心身症」になる人は、自分のストレスが高いことに気付かない人が起こしやすいとされている。例えば、一生懸命働いた結果、胃潰瘍になっていたとか、だ。基本的に自分のストレスに気付くことは大事なことで、ストレスフルな職場環境は改善

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