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医政羅針盤

実態を不透明にする改定手法への懸念

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2016年1月15日号

 16年度の診療報酬改定は、本体部分を0.49%引き上げ、▲1.33%となった薬価・材料価格と合わせ、全体で▲0.84%とすることが決まった。前回14年度改定での消費税補填分を除くと、実質的に2回連続のマイナス改定となり、厳しい結果となった。財務省などから、本体部分も引き下げるべきとの声さえあったことを考えると、本体部分の引き上げ幅が前回(実質プラス0.1%)を上回ったことは、辛うじて評価できる。  しかし、今回は計算方法を変更しており、従来のベースだと「全体で▲1.03%」になると厚生労働省は説明している。これは、薬価における通常の「市場拡大再算定」を改定率の「外枠」扱いしているためであり、これを含めると、▲1.03%の引き下げになる。また、「制度改正に伴うもの」として「外枠」扱いされている項目には、1000億円超の巨額製品に対して新たに適用される「特例再算定」や、大型...  16年度の診療報酬改定は、本体部分を0.49%引き上げ、▲1.33%となった薬価・材料価格と合わせ、全体で▲0.84%とすることが決まった。前回14年度改定での消費税補填分を除くと、実質的に2回連続のマイナス改定となり、厳しい結果となった。財務省などから、本体部分も引き下げるべきとの声さえあったことを考えると、本体部分の引き上げ幅が前回(実質プラス0.1%)を上回ったことは、辛うじて評価できる。  しかし、今回は計算方法を変更しており、従来のベースだと「全体で▲1.03%」になると厚生労働省は説明している。これは、薬価における通常の「市場拡大再算定」を改定率の「外枠」扱いしているためであり、これを含めると、▲1.03%の引き下げになる。また、「制度改正に伴うもの」として「外枠」扱いされている項目には、1000億円超の巨額製品に対して新たに適用される「特例再算定」や、大型門前

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