医薬経済オンライン

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薬剤経済学

経済的評価と給付設計

第4回 費用対効果と費用影響の調和策

2016年1月1日号

 ボストンの臨床・経済評価研究所(ICER)は、医療技術評価は盛んなのに、それを政策に生かすことは意識的に抑えてきた米国の特異な状況に立ち向かう動きの先頭に立つ非営利組織だ。保険会社、企業経営者グループと共同して高額な新薬をいち早く評価し、給付適用、医薬品給付リスト(FL)収載の指針を提供し始めている。 医療産業界は、医療を金銭が左右することを嫌う国民性に乗って、メディケアの給付適用の判断材料に費用を使えない制度にした。薬剤給付での政府価格交渉の排除もその延長線上にある。そうした足枷の及ばない民間保険でも、費用が判断に影響するレーショニングの印象を避けてきた。だが新薬が勢いを回復、2014年の医療費5.3%増に対し薬剤費は12.2%増と突出し、慎重な姿勢は見直しを促されている。 14年春のソバルディのHCV療法の評価で注目を集めたICERは、費用対効...  ボストンの臨床・経済評価研究所(ICER)は、医療技術評価は盛んなのに、それを政策に生かすことは意識的に抑えてきた米国の特異な状況に立ち向かう動きの先頭に立つ非営利組織だ。保険会社、企業経営者グループと共同して高額な新薬をいち早く評価し、給付適用、医薬品給付リスト(FL)収載の指針を提供し始めている。 医療産業界は、医療を金銭が左右することを嫌う国民性に乗って、メディケアの給付適用の判断材料に費用を使えない制度にした。薬剤給付での政府価格交渉の排除もその延長線上にある。そうした足枷の及ばない民間保険でも、費用が判断に影響するレーショニングの印象を避けてきた。だが新薬が勢いを回復、2014年の医療費5.3%増に対し薬剤費は12.2%増と突出し、慎重な姿勢は見直しを促されている。 14年春のソバルディのHCV療法の評価で注目を集めたICERは、費用対効果

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