医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

医政羅針盤

軽減税率騒動から考える消費税の罠

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2016年1月1日号

 17年4月に消費税を10%に引き上げる段階で軽減税率を導入し、対象範囲は酒類と外食を除き、加工食品を含む食品全般とすることが昨年末に決まった。財源規模は約1兆円となる。この間の与党協議は、対象範囲を巡って難航を極めたが、政策論としての必要性というよりも、与党内の政治的な思惑と駆け引きが優先され、その結果、将来に禍根を残しかねない結論になったと私は考える。  今後、軽減税率によって不足する分の財源をどう確保するかについて、議論が詰められることになるが、昨年10月の段階で真っ先に決まったのが、「総合合算制度」を見送り、4000億円を捻出することだ。軽減税率の対象範囲を生鮮食品に限定すれば、これで財源は確保できるが、その後、公明党の要求をのんで対象を加工食品まで拡大した(外食を含めると、高級料理店での食事まで対象になってしまうため、外食を除外するという...  17年4月に消費税を10%に引き上げる段階で軽減税率を導入し、対象範囲は酒類と外食を除き、加工食品を含む食品全般とすることが昨年末に決まった。財源規模は約1兆円となる。この間の与党協議は、対象範囲を巡って難航を極めたが、政策論としての必要性というよりも、与党内の政治的な思惑と駆け引きが優先され、その結果、将来に禍根を残しかねない結論になったと私は考える。  今後、軽減税率によって不足する分の財源をどう確保するかについて、議論が詰められることになるが、昨年10月の段階で真っ先に決まったのが、「総合合算制度」を見送り、4000億円を捻出することだ。軽減税率の対象範囲を生鮮食品に限定すれば、これで財源は確保できるが、その後、公明党の要求をのんで対象を加工食品まで拡大した(外食を含めると、高級料理店での食事まで対象になってしまうため、外食を除外するというのは

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence