漢方処方 千差万様
「麝香」の鎮静効果の実際
第11回
安廣誠心堂薬局 安廣嘉人
2016年1月1日号
今回は動物性生薬のうち「麝香(ジャコウ)」を考察します。生薬として用いるときは漢字の麝香を用います。麝香は、雄のジャコウジカの腹部と臍部そして陰茎との間にある香囊(袋状のもの)のなかにジャコウ腺から分泌された分泌物が溜まり、分泌物で一杯になった香囊を切り取り、それを乾燥させたものを生薬として使います。雄のジャコウジカの香囊は秋から冬にかけての繁殖期に分泌物で満たされます。
麝香はクスリとしてはもちろん、独特な甘く粉っぽい香りで、その香りは長時間持続することから香水の原料として使われてきました。
麝香の薬理効果としては強心や興奮、鎮静、子どもの癇の虫が知られています。そして、古くから薬として六神丸、樋屋奇應丸、宇津救命丸、救心などに使われています。ただ、煎じ薬の原料として用いられてはいないようです。
麝香を採取する...
今回は動物性生薬のうち「麝香(ジャコウ)」を考察します。生薬として用いるときは漢字の麝香を用います。麝香は、雄のジャコウジカの腹部と臍部そして陰茎との間にある香囊(袋状のもの)のなかにジャコウ腺から分泌された分泌物が溜まり、分泌物で一杯になった香囊を切り取り、それを乾燥させたものを生薬として使います。雄のジャコウジカの香囊は秋から冬にかけての繁殖期に分泌物で満たされます。
麝香はクスリとしてはもちろん、独特な甘く粉っぽい香りで、その香りは長時間持続することから香水の原料として使われてきました。
麝香の薬理効果としては強心や興奮、鎮静、子どもの癇の虫が知られています。そして、古くから薬として六神丸、樋屋奇應丸、宇津救命丸、救心などに使われています。ただ、煎じ薬の原料として用いられてはいないようです。
麝香を採取するため
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