医薬経済オンライン

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読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

施設医療に傾いた近代船の平衡を戻す

第40回

鍛冶孝雄

2016年1月1日号

 在宅医療、在宅ホスピスというテーマが生まれてきた背景を考えるとき、私たちは、どうしても医療費をベースにした「医療保障の仕組み」のほうに目が向いてしまう。終末期あるいは人生の最期の最適の場はどこかという尊厳性の立場から考えを巡らす、そういう人もいることは承知したい。それでも制度(財政)という医療保障からの要求が、在宅医療を推進する「動機」、あるいはエンジンとして機能してきていると分析することは間違ってはいないと思う。  例えば最近、医療・医学が進歩したことで、死にたくても死ねなくなっている状況を打開することをモチーフにしたテレビドラマがオンエアされていた。そういう主張は、ドラマでは、捨てられるべきネガティブな設定として重視されているが、相対的な意見の均衡という演出は崩されていない。  現在のような、あくまでも生...  在宅医療、在宅ホスピスというテーマが生まれてきた背景を考えるとき、私たちは、どうしても医療費をベースにした「医療保障の仕組み」のほうに目が向いてしまう。終末期あるいは人生の最期の最適の場はどこかという尊厳性の立場から考えを巡らす、そういう人もいることは承知したい。それでも制度(財政)という医療保障からの要求が、在宅医療を推進する「動機」、あるいはエンジンとして機能してきていると分析することは間違ってはいないと思う。  例えば最近、医療・医学が進歩したことで、死にたくても死ねなくなっている状況を打開することをモチーフにしたテレビドラマがオンエアされていた。そういう主張は、ドラマでは、捨てられるべきネガティブな設定として重視されているが、相対的な意見の均衡という演出は崩されていない。  現在のような、あくまでも生きる

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