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From Local to Global 私と公衆衛生

高齢者多死社会、これからの10年

第87回

日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2016年1月1日号

 謹賀新年。  この連載も8年目の正月を迎えたが、私が理事長を務める日本尊厳死協会は今年で創立40年を迎える。その40年前の76年は、自宅で亡くなる人と病院死亡者の割合が逆転した年だった。最近の人口動態統計を表に示すが、05年に出生数(106万3000人)と死亡数(108万4000人)とが逆転し、人口減少社会に入った。その後も全死亡者数は増え続け、15年は130万人前後になると予測される。  在宅死亡率が最も低下したのは05年の12.2%だったが、その後はやや増加に転じている。死亡者の増加にもかかわらず、医療施設での死亡は12年をピークに減少している。代わって、老人施設などでの死亡が増えてきた。これは、昨年秋にNHKスペシャルでも取り上げられたが、老人ホームでの看取りが世間に理解され、救急搬送されずに「老衰死」として処理されるようになったためと思われる。ちなみに、13年の死...  謹賀新年。  この連載も8年目の正月を迎えたが、私が理事長を務める日本尊厳死協会は今年で創立40年を迎える。その40年前の76年は、自宅で亡くなる人と病院死亡者の割合が逆転した年だった。最近の人口動態統計を表に示すが、05年に出生数(106万3000人)と死亡数(108万4000人)とが逆転し、人口減少社会に入った。その後も全死亡者数は増え続け、15年は130万人前後になると予測される。  在宅死亡率が最も低下したのは05年の12.2%だったが、その後はやや増加に転じている。死亡者の増加にもかかわらず、医療施設での死亡は12年をピークに減少している。代わって、老人施設などでの死亡が増えてきた。これは、昨年秋にNHKスペシャルでも取り上げられたが、老人ホームでの看取りが世間に理解され、救急搬送されずに「老衰死」として処理されるようになったためと思われる。ちなみに、13年の死亡者

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