医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

急増する卸の売上高から見た米国の現状

第105回

医薬評論家 五條正也

2015年12月15日号

 米国ではメディケアなどを管轄するCMS(メディケア・メディケイドサービス庁)が14年の米国医療費の推定値を12月2日に公表した。米国の医療費はついに3兆ドルに達し、過去5年の平均伸び率3.7%を上回り、5.3%増加した。そのなかで伸び率が最も高かったのが小売の処方薬剤費で、12.2%増の2977億ドルとなった。13年の2.4%増からすれば10ポイント近く上昇、金額では324億ドルも増加した。1ドル120円換算では14年に約3.9兆円増えて35.7兆円という規模だ。この増加はC型肝炎薬の急拡大と高価な経口の抗がん剤をはじめとするスペシャリティ医薬品が増加したこと、ブランド品の値上げが大きな理由である。  CMSの統計数字は小売経由の薬剤費だけで、高価なバイオの抗がん剤を含めて病院などの医療機関で使われる注射剤は主に医師費用に入るために含まれていない。メディケアの医師費用保険である...  米国ではメディケアなどを管轄するCMS(メディケア・メディケイドサービス庁)が14年の米国医療費の推定値を12月2日に公表した。米国の医療費はついに3兆ドルに達し、過去5年の平均伸び率3.7%を上回り、5.3%増加した。そのなかで伸び率が最も高かったのが小売の処方薬剤費で、12.2%増の2977億ドルとなった。13年の2.4%増からすれば10ポイント近く上昇、金額では324億ドルも増加した。1ドル120円換算では14年に約3.9兆円増えて35.7兆円という規模だ。この増加はC型肝炎薬の急拡大と高価な経口の抗がん剤をはじめとするスペシャリティ医薬品が増加したこと、ブランド品の値上げが大きな理由である。  CMSの統計数字は小売経由の薬剤費だけで、高価なバイオの抗がん剤を含めて病院などの医療機関で使われる注射剤は主に医師費用に入るために含まれていない。メディケアの医師費用保険であるパー

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