読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
終末期の在宅療養を考える豊富なヒント
第39回
鍛冶孝雄
2015年12月15日号
今回は徳永進氏の『在宅ホスピスノート』(講談社、15年6月刊)を読んだ。「在宅での看取り」の世界ではたいへん有名な人。読書子の私は、この人の講演をターミナルケアやがん関連の学会、シンポジウムの機会に何度か聴いたことがある。最初は講演途中で突然ハーモニカを吹きだしたりするのでびっくりしたことも。自らとそのチームが看取った、主にがん末期の患者の在宅療養の話、エピソードが講演のほとんどで、難しい「あるべき論」には、あまり触れない。
事実を少しナイーブに脚色して語るが、話は人を飽きさせない。名人の落語を聞いているかのように錯覚する印象が強い。正直に言えば、「徳永先生」の話術に誘い込まれて、泣きそうになってしまったことも告白しよう。会場ではすすり泣く女性も多くいた。
こうして講演の印象論を書き進めると、シニカルで少し意...
今回は徳永進氏の『在宅ホスピスノート』(講談社、15年6月刊)を読んだ。「在宅での看取り」の世界ではたいへん有名な人。読書子の私は、この人の講演をターミナルケアやがん関連の学会、シンポジウムの機会に何度か聴いたことがある。最初は講演途中で突然ハーモニカを吹きだしたりするのでびっくりしたことも。自らとそのチームが看取った、主にがん末期の患者の在宅療養の話、エピソードが講演のほとんどで、難しい「あるべき論」には、あまり触れない。
事実を少しナイーブに脚色して語るが、話は人を飽きさせない。名人の落語を聞いているかのように錯覚する印象が強い。正直に言えば、「徳永先生」の話術に誘い込まれて、泣きそうになってしまったことも告白しよう。会場ではすすり泣く女性も多くいた。
こうして講演の印象論を書き進めると、シニカルで少し意地
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