眺望「医薬街道」
あきれた化血研の「偽善」と「陥穽」
近藤正觀
2015年12月15日号
製薬企業としてはあってはならない社会への背任と偽善が、熊本にある血液製剤メーカー(一般財団)の「化学及血清療法研究所」(化血研)という企業に起きた。血液製剤は大きく3つある。①全血製剤は大量出血に応える輸血、②血液成分製剤は血液を赤血球・血漿・血小板に分離させ、必要成分を輸血、③血漿分画製剤は血漿を原料とし遠心分離させたアルブミン製剤など──である。 化血研が犯した罪は過去40年の長期にわたり医薬品医療機器法に背いたもので、「製造承認内容と異なる製造法」を用いて市場に堂々と供給してきたことだ。血液を原料とする製薬企業は国内には3社しかなく臨床現場への供給に懸念を生じさせた。国内の血液製剤は特殊なものを除き国民の善意による献血から製造されている。献血人口の縮小問題も顕在化しており、化血研が起こした今回の事象はさらに献血意識を低下させるだろう。 こ...
製薬企業としてはあってはならない社会への背任と偽善が、熊本にある血液製剤メーカー(一般財団)の「化学及血清療法研究所」(化血研)という企業に起きた。血液製剤は大きく3つある。①全血製剤は大量出血に応える輸血、②血液成分製剤は血液を赤血球・血漿・血小板に分離させ、必要成分を輸血、③血漿分画製剤は血漿を原料とし遠心分離させたアルブミン製剤など──である。 化血研が犯した罪は過去40年の長期にわたり医薬品医療機器法に背いたもので、「製造承認内容と異なる製造法」を用いて市場に堂々と供給してきたことだ。血液を原料とする製薬企業は国内には3社しかなく臨床現場への供給に懸念を生じさせた。国内の血液製剤は特殊なものを除き国民の善意による献血から製造されている。献血人口の縮小問題も顕在化しており、化血研が起こした今回の事象はさらに献血意識を低下させるだろう。 この
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