一筆入魂
リベラル言論衰退の深層を探る(中編)
出版不況とネット社会に生まれたひずみ
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2015年12月15日号
休刊となったリベラル2誌「悪貨は良貨を駆逐する。論壇でも同じことです。質の高い重厚な論壇が消えてしまっている」
週刊東洋経済の取材で会った保守陣営の論客のひとり、潮マサ人(マサはかくしがまえに王)氏の言葉だ。
思い当たることが山ほどある。
私が朝日新聞社を退社し、フリーのノンフィクション作家となって活動期間は10年を超えた。
当初は生活をしていくのがやっとだった。蓄えもなく、取材のための交通費も捻出できない。160円の地下鉄の初乗り料金がもったいなくて、自転車で取材先に向かったり、食事といえば、もっぱら吉野家、松屋、日高屋など「や号」に頼ったりしたものだ。
私の場合、週刊現代や週刊ポストなどの週刊誌や月刊現代、世界などの月刊誌が主戦場となった。
だが、週刊誌の場合、どうしても書いた原稿をセンセーショナルに直される。ギリギリ許容できるとこ...
休刊となったリベラル2誌「悪貨は良貨を駆逐する。論壇でも同じことです。質の高い重厚な論壇が消えてしまっている」
週刊東洋経済の取材で会った保守陣営の論客のひとり、潮マサ人(マサはかくしがまえに王)氏の言葉だ。
思い当たることが山ほどある。
私が朝日新聞社を退社し、フリーのノンフィクション作家となって活動期間は10年を超えた。
当初は生活をしていくのがやっとだった。蓄えもなく、取材のための交通費も捻出できない。160円の地下鉄の初乗り料金がもったいなくて、自転車で取材先に向かったり、食事といえば、もっぱら吉野家、松屋、日高屋など「や号」に頼ったりしたものだ。
私の場合、週刊現代や週刊ポストなどの週刊誌や月刊現代、世界などの月刊誌が主戦場となった。
だが、週刊誌の場合、どうしても書いた原稿をセンセーショナルに直される。ギリギリ許容できるところ
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