医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

独では費用対効果「実施例なし」

第5回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2015年12月1日号

 前回11月1日号は米国「PCORI」にまつわる誤解について、そもそも意思決定に直結する機関ではないこと、費用対効果評価(狭義のHTA)とは実質的に無関係であることを説明した。主要な機能は比較効果研究の助成である以上、「Cost/QALYの閾値をもとに、給付の可否を決定するような研究を自分では行わないこと」はある意味必然で、PCORIという一機関の特性を定めたものに過ぎない。「米国でQALYが禁じられた」と主張するのは、拡大解釈が過ぎることを述べてきた。  今回は、ドイツのHTA機関「IQWIG」を詳しく掘り下げたい。  IQWIGは臨床的有用性の評価というかたちで広義のHTAは実施しているものの、費用対効果評価すなわち狭義のHTAの実施例はない。最近ようやく「HTA違い」である実態も理解されてきたが、まだまだ「英...  前回11月1日号は米国「PCORI」にまつわる誤解について、そもそも意思決定に直結する機関ではないこと、費用対効果評価(狭義のHTA)とは実質的に無関係であることを説明した。主要な機能は比較効果研究の助成である以上、「Cost/QALYの閾値をもとに、給付の可否を決定するような研究を自分では行わないこと」はある意味必然で、PCORIという一機関の特性を定めたものに過ぎない。「米国でQALYが禁じられた」と主張するのは、拡大解釈が過ぎることを述べてきた。  今回は、ドイツのHTA機関「IQWIG」を詳しく掘り下げたい。  IQWIGは臨床的有用性の評価というかたちで広義のHTAは実施しているものの、費用対効果評価すなわち狭義のHTAの実施例はない。最近ようやく「HTA違い」である実態も理解されてきたが、まだまだ「英国

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