現場が望む社会保障制度
複雑な制度を考える、提供者から見た弊害
第7回
東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳
2015年12月1日号
古くからの知人に「今の関心分野は医療・介護です」と言うと、渋い顔で「難しそうだね」と声を掛けられるときがある。これは私の仕事(政策研究)が難しい雰囲気を醸し出しているのではなく、「医療・介護の制度は難しい」と感じている人が多い証と受け止めている。
実際、医療・介護制度は何かと言えば「複雑」「難解」という形容詞が付く。制度が複雑になるメカニズムと、複雑化の弊害を2回に分けて考察したい。
まず、介護報酬を例に、制度の複雑さを見てみよう。介護保険制度ではサービスを提供した代わりに、介護事業所が報酬を受け取る仕組みであり、基本構造は医療保険制度の診療報酬と同じである。
この報酬の単価、種類は厚生労働相の告示で定められており、訪問介護では「夜間早朝」「深夜」「介護職員2人で対応」などと細かく分かれている。...
古くからの知人に「今の関心分野は医療・介護です」と言うと、渋い顔で「難しそうだね」と声を掛けられるときがある。これは私の仕事(政策研究)が難しい雰囲気を醸し出しているのではなく、「医療・介護の制度は難しい」と感じている人が多い証と受け止めている。
実際、医療・介護制度は何かと言えば「複雑」「難解」という形容詞が付く。制度が複雑になるメカニズムと、複雑化の弊害を2回に分けて考察したい。
まず、介護報酬を例に、制度の複雑さを見てみよう。介護保険制度ではサービスを提供した代わりに、介護事業所が報酬を受け取る仕組みであり、基本構造は医療保険制度の診療報酬と同じである。
この報酬の単価、種類は厚生労働相の告示で定められており、訪問介護では「夜間早朝」「深夜」「介護職員2人で対応」などと細かく分かれている。例
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