医薬経済オンライン

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環境問題と化した水銀血圧計

水俣条約で製造禁止も、愛着ある医師が多い

2015年12月1日号

 昔懐かしい水銀血圧計が近々、電子血圧計に取って代わられる。聴診器を当て、水銀血圧計のゴム球を押しながら上腕に巻いた布を膨らませて血圧を測る姿は、いかにも医師らしい姿だった。  だが、有毒な水銀による環境汚染を止めようという動きは世界的に広まり、2年前の13年、熊本県水俣市で開かれた会議で「水銀に関する水俣条約」が全会一致で採択され、92ヵ国が条約に署名。条約は50ヵ国が批准した時点で発効することになっている。すでに批准した国は19ヵ国。日本は今年5月に国会で承認。後は閣議で決定すれば批准となる。通常は閣議決定後に国会承認となるのだが、安倍晋三首相が安保法制と外国訪問で忙しく、閣議決定が遅れている。  水俣病と新潟水俣病という2度の悲惨な経験を持つ日本は、各事業分野で水銀に置き換わる機器や器具が登場し代替が始まっているが、20年にはごく一部を除き、水...  昔懐かしい水銀血圧計が近々、電子血圧計に取って代わられる。聴診器を当て、水銀血圧計のゴム球を押しながら上腕に巻いた布を膨らませて血圧を測る姿は、いかにも医師らしい姿だった。  だが、有毒な水銀による環境汚染を止めようという動きは世界的に広まり、2年前の13年、熊本県水俣市で開かれた会議で「水銀に関する水俣条約」が全会一致で採択され、92ヵ国が条約に署名。条約は50ヵ国が批准した時点で発効することになっている。すでに批准した国は19ヵ国。日本は今年5月に国会で承認。後は閣議で決定すれば批准となる。通常は閣議決定後に国会承認となるのだが、安倍晋三首相が安保法制と外国訪問で忙しく、閣議決定が遅れている。  水俣病と新潟水俣病という2度の悲惨な経験を持つ日本は、各事業分野で水銀に置き換わる機器や器具が登場し代替が始まっているが、20年にはごく一部を除き、水銀と

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