医薬経済オンライン

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薬剤経済学

経済的評価と給付設計

第2回 ICERに基づく患者負担の概念的枠組み

2015年12月1日号

 ペンシルバニア大学ワートン校のマーク・ポーリーの「費用対効果分析と保険適用:パズルを解く」は、適正な患者負担という古典的なテーマを、この25年、手法の改善と政策応用の模索が進んできた医療技術の経済性評価と結合させることで〝解〟に近づこうという意欲的な研究だ(ヘルス・エコノミクス2015年5月)。 市場と調和した医療システムを擁護するエコノミストとしてポーリーは、ICER(増分費用対効果比)が閾値の範囲内なら負担ゼロで給付適用するが、はみ出れば排除する英国の二者択一の手法を極度に福祉国家主義的だとして否定。そのうえで、効率性の劣る医療技術は高い患者負担水準で受け入れるべきだとし、その仕組みの要にICERを据えることを提案している。 医療サービス別に患者負担を設けるのは新しいアイデアではないが、負担額(率)をどう変えるのが適切か、明快な指針はない...  ペンシルバニア大学ワートン校のマーク・ポーリーの「費用対効果分析と保険適用:パズルを解く」は、適正な患者負担という古典的なテーマを、この25年、手法の改善と政策応用の模索が進んできた医療技術の経済性評価と結合させることで〝解〟に近づこうという意欲的な研究だ(ヘルス・エコノミクス2015年5月)。 市場と調和した医療システムを擁護するエコノミストとしてポーリーは、ICER(増分費用対効果比)が閾値の範囲内なら負担ゼロで給付適用するが、はみ出れば排除する英国の二者択一の手法を極度に福祉国家主義的だとして否定。そのうえで、効率性の劣る医療技術は高い患者負担水準で受け入れるべきだとし、その仕組みの要にICERを据えることを提案している。 医療サービス別に患者負担を設けるのは新しいアイデアではないが、負担額(率)をどう変えるのが適切か、明快な指針はない。

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