審査建言
高齢者の多剤投薬問題に解決策はあるのか
医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩
2015年12月1日号
高齢者が飲みきれないくらいの多種、大量の薬を複数の医療機関から処方され、調剤薬局でそのままチェックされることもなく、家のなかに薬がたまっていく姿は、高齢化社会を迎えた豊かな日本の風景のひとつとも言えるほど、普遍化している。
一般的には「コンプライアンスがいい」と褒められる几帳面な患者ほど、大量の薬を曜日ごと、時間ごとにきちんと分類整理し、1日3回間違えずに飲み続けている。だが、やがて体調が優れなくなり、それを医者に訴えると、その症状を緩和するために、また新たな薬が追加される。そしてある日、本当に体調不良になって別の医師にかかり、大幅に薬を減らしたら元気になった。そのような話が繰り返し報道されているが、効果的な改善策は見い出せていない。
一方、あまり几帳面ではない患者、一般的にはコンプライアンスの悪い患者は、飲むと調子が悪くなるような薬...
高齢者が飲みきれないくらいの多種、大量の薬を複数の医療機関から処方され、調剤薬局でそのままチェックされることもなく、家のなかに薬がたまっていく姿は、高齢化社会を迎えた豊かな日本の風景のひとつとも言えるほど、普遍化している。
一般的には「コンプライアンスがいい」と褒められる几帳面な患者ほど、大量の薬を曜日ごと、時間ごとにきちんと分類整理し、1日3回間違えずに飲み続けている。だが、やがて体調が優れなくなり、それを医者に訴えると、その症状を緩和するために、また新たな薬が追加される。そしてある日、本当に体調不良になって別の医師にかかり、大幅に薬を減らしたら元気になった。そのような話が繰り返し報道されているが、効果的な改善策は見い出せていない。
一方、あまり几帳面ではない患者、一般的にはコンプライアンスの悪い患者は、飲むと調子が悪くなるような薬、
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