眺望「医薬街道」
煮詰まってきた薬価制度改革
近藤正觀
2015年12月1日号
製薬業界は薬価基準制度に守られてきたと言っても過言ではない。医療用医薬品の使用は、基本的に3割の患者負担と保険料、公費によって賄われる。 さて、2年ごとの診療報酬改定と薬価改定の議論が煮詰まってきた。これまで「薬価引き下げ」分は基本的に診療報酬引き上げに充当されてきたが、今回はどんな結論が待っているのだろう。薬価調査による乖離率は12月上旬に公表される見通し。勝手な予測で荒っぽく言えば、乖離率の平均は8%前後で、引き下げ率の平均は5〜6%前後となるだろう。 長年薬価改定を見てきたが、薬価調査に基づく通常引き下げだけであれば、製薬会社も何とか乗り越えられるが、財政上の要請から「特例的引き下げ」と称して長期収載品の引き下げや、市場規模が大きくなったことに対するペナルティ的再算定というおまけがつくのが行政が講じる常套手段である。 今回の中央社会保険...
製薬業界は薬価基準制度に守られてきたと言っても過言ではない。医療用医薬品の使用は、基本的に3割の患者負担と保険料、公費によって賄われる。 さて、2年ごとの診療報酬改定と薬価改定の議論が煮詰まってきた。これまで「薬価引き下げ」分は基本的に診療報酬引き上げに充当されてきたが、今回はどんな結論が待っているのだろう。薬価調査による乖離率は12月上旬に公表される見通し。勝手な予測で荒っぽく言えば、乖離率の平均は8%前後で、引き下げ率の平均は5〜6%前後となるだろう。 長年薬価改定を見てきたが、薬価調査に基づく通常引き下げだけであれば、製薬会社も何とか乗り越えられるが、財政上の要請から「特例的引き下げ」と称して長期収載品の引き下げや、市場規模が大きくなったことに対するペナルティ的再算定というおまけがつくのが行政が講じる常套手段である。 今回の中央社会保険医
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