鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜
健全な批判にこそ医薬の矛盾を乗り越える鍵がある
第1回
2015年11月1日号
「医薬経済」で連載をさせていただくのに、初っ端からこんなことを書いて恐縮なのだが、医(医療)と薬(製薬会社)は、つくづく矛盾する存在だと思う。 資本の論理では、製薬会社は1錠でも多くの薬を売り、1円でも多くの利益を株主に還元するのが使命と言える。公共性の高い製品を扱うとはいえ、営利企業であるかぎり、利益を求めること自体は、責められるべきではない。 だが、人々の健康と命を守ることが使命の医療は、根本的に資本の論理とは相容れない性質を持っている。医療に薬は必要不可欠であるし、医療を持続させるには経営のことも考えねばならない。しかし、医療が資本の論理に従属し、営利を優先したらどうなるか。 病気の不安を煽り、人々を病院に向かわせる。とりあえず検査して「異常」を見つけ、大きな問題のない人まで「病人」に仕立て上げる。そして、薬を飲むことを習慣にさせ、...
「医薬経済」で連載をさせていただくのに、初っ端からこんなことを書いて恐縮なのだが、医(医療)と薬(製薬会社)は、つくづく矛盾する存在だと思う。 資本の論理では、製薬会社は1錠でも多くの薬を売り、1円でも多くの利益を株主に還元するのが使命と言える。公共性の高い製品を扱うとはいえ、営利企業であるかぎり、利益を求めること自体は、責められるべきではない。 だが、人々の健康と命を守ることが使命の医療は、根本的に資本の論理とは相容れない性質を持っている。医療に薬は必要不可欠であるし、医療を持続させるには経営のことも考えねばならない。しかし、医療が資本の論理に従属し、営利を優先したらどうなるか。 病気の不安を煽り、人々を病院に向かわせる。とりあえず検査して「異常」を見つけ、大きな問題のない人まで「病人」に仕立て上げる。そして、薬を飲むことを習慣にさせ、さら
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