読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
豊富な情報を統合し単一化する脳の仕組み
第36回
鍛冶孝雄
2015年11月1日号
わかりやすく書かれたと評判の本を、実際に読むと、自分にはまるで理解できない本に出くわしてしまったという経験が多々ある。若い頃には損をしたような気分になり、下した結論は「面白くなかった」だ。ただ、勉強不足を自覚している面があったことは、年齢を重ねても記憶の隅にある。
読書は、教養を身につけるためだけの行動ではないし、「面白くない」という反応も悪いわけではない。だが、最近では理解しにくい本に出会うと「屈辱」のような気分が横溢する。今回の本も、そうした一冊だ。「斜め読み」のつもりが、途中で何度か振り返り読了したものの、「斜め読み」どころか「つまみ読み」したくらいにしか読後感がない。著者(訳者を含めて)の「わかりやすさを追求した」努力をふいにしてしまう読者(私)と、今回の本はめぐり合ったのだ。
医師で神経生理学者...
わかりやすく書かれたと評判の本を、実際に読むと、自分にはまるで理解できない本に出くわしてしまったという経験が多々ある。若い頃には損をしたような気分になり、下した結論は「面白くなかった」だ。ただ、勉強不足を自覚している面があったことは、年齢を重ねても記憶の隅にある。
読書は、教養を身につけるためだけの行動ではないし、「面白くない」という反応も悪いわけではない。だが、最近では理解しにくい本に出会うと「屈辱」のような気分が横溢する。今回の本も、そうした一冊だ。「斜め読み」のつもりが、途中で何度か振り返り読了したものの、「斜め読み」どころか「つまみ読み」したくらいにしか読後感がない。著者(訳者を含めて)の「わかりやすさを追求した」努力をふいにしてしまう読者(私)と、今回の本はめぐり合ったのだ。
医師で神経生理学者のマ
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