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From Local to Global 私と公衆衛生

祝ノーベル賞受賞:熱帯感染症対策

第85回

日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2015年11月1日号

 今年のノーベル医学生理学賞に輝いた大村智先生とは、私が厚生省エイズ結核感染症課長のときに北里研究所の所長室を訪ねてお会いしたことがある。  以前本誌に書いたが、故橋本龍太郎総理が1997年のデンバーサミットで、マラリア・寄生虫対策のイニシアティブを打ち出すことになり、日本の途上国支援のあり方についてお話を伺いに行ったのだ。記憶は薄れているが、温厚な学者先生という印象だった。心から受賞をお祝いしたい。 「寄生虫疾患は世界の最貧人口を侵し、人類の健康と福祉の向上に大きな障壁となっている。今年のノーベル賞受賞者は、最も破滅的な寄生虫症に革命的な治療法を開発した」と、ノーベル医学生理学賞の授賞理由が述べられた。  大村先生が土壌のなかから化学物質を産生する放線菌を発見し、メルクが87年に製品化した駆虫薬が「イベルメクチン」だ。熱帯アフリカ、中南米の象...  今年のノーベル医学生理学賞に輝いた大村智先生とは、私が厚生省エイズ結核感染症課長のときに北里研究所の所長室を訪ねてお会いしたことがある。  以前本誌に書いたが、故橋本龍太郎総理が1997年のデンバーサミットで、マラリア・寄生虫対策のイニシアティブを打ち出すことになり、日本の途上国支援のあり方についてお話を伺いに行ったのだ。記憶は薄れているが、温厚な学者先生という印象だった。心から受賞をお祝いしたい。 「寄生虫疾患は世界の最貧人口を侵し、人類の健康と福祉の向上に大きな障壁となっている。今年のノーベル賞受賞者は、最も破滅的な寄生虫症に革命的な治療法を開発した」と、ノーベル医学生理学賞の授賞理由が述べられた。  大村先生が土壌のなかから化学物質を産生する放線菌を発見し、メルクが87年に製品化した駆虫薬が「イベルメクチン」だ。熱帯アフリカ、中南米の象皮病

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