医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

海外時報

ビジネスに影を落とす経済性評価

心不全と脂質—注目新薬の対照的な位置取り

2015年10月15日号

 図1は、今年最も注目される2種類の新薬の経済性評価を要約している。標準療法に比してQALY(質調整生存年)を追加する便益実現に要する費用─増分費用対効果比と、新薬提供が及ぼす米国薬剤費への影響推計を、ボストンの臨床と経済評価研究所(ICER)がプロットしたものだ。 心不全治療薬「エントレスト」についてノバルティスは、米国のリスト価格を年4560ドルに設定した。これは年380ドルのエナラプリル療法の12倍で、心不全入院の回避効果など節減があっても生涯費用15.27万ドルは3万ドル近い上乗せだ。しかし余命を2.20年、質調整しても0.57年追加するから、QALY当たり5万915ドルに収まる。QALY5万ドルは厳しい経済性評価で知られる英国が原則に据える支払い水準であり、エントレストは指針(図1のc)に照らしても少し超えるだけ。支払者と組んで“高すぎる薬価”に目を配るICE...  図1は、今年最も注目される2種類の新薬の経済性評価を要約している。標準療法に比してQALY(質調整生存年)を追加する便益実現に要する費用─増分費用対効果比と、新薬提供が及ぼす米国薬剤費への影響推計を、ボストンの臨床と経済評価研究所(ICER)がプロットしたものだ。 心不全治療薬「エントレスト」についてノバルティスは、米国のリスト価格を年4560ドルに設定した。これは年380ドルのエナラプリル療法の12倍で、心不全入院の回避効果など節減があっても生涯費用15.27万ドルは3万ドル近い上乗せだ。しかし余命を2.20年、質調整しても0.57年追加するから、QALY当たり5万915ドルに収まる。QALY5万ドルは厳しい経済性評価で知られる英国が原則に据える支払い水準であり、エントレストは指針(図1のc)に照らしても少し超えるだけ。支払者と組んで“高すぎる薬価”に目を配るICER

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence