間違えだらけのHTA
QALYが「標準化」する背景
第3回
東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中
2015年10月1日号
前回9月1日号は、誤解の多いQALY(質調整生存年)の定義と使われ方を復習した。後半で触れたように、各国のHTA機関のQALYに対する姿勢は、「必須とする国」(英国NICEなど)、「許容する国」に大別され、QALY以外を必須とする国やQALY使用を禁じている国はない。今回はこの点を詳しく解説したい。
なお、QALYをものさしにしてICER(増分費用効果比)を算出する分析を「CUA」、生存年数(LY)などの「QALY以外のものさし」でICERを算出する分析を「CEA」と表記する。
フランス(HAS)やオーストラリア(PBAC)は、QALYを「許容する国」に分類される。それぞれの機関に企業が経済評価を提出する際のルールブックいわゆるガイドラインで、アウトカム指標の選び方はどうなっているだろうか。
11年発行のフランスHA...
前回9月1日号は、誤解の多いQALY(質調整生存年)の定義と使われ方を復習した。後半で触れたように、各国のHTA機関のQALYに対する姿勢は、「必須とする国」(英国NICEなど)、「許容する国」に大別され、QALY以外を必須とする国やQALY使用を禁じている国はない。今回はこの点を詳しく解説したい。
なお、QALYをものさしにしてICER(増分費用効果比)を算出する分析を「CUA」、生存年数(LY)などの「QALY以外のものさし」でICERを算出する分析を「CEA」と表記する。
フランス(HAS)やオーストラリア(PBAC)は、QALYを「許容する国」に分類される。それぞれの機関に企業が経済評価を提出する際のルールブックいわゆるガイドラインで、アウトカム指標の選び方はどうなっているだろうか。
11年発行のフランスHASの
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