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薬剤経済学

薬剤療法の価値

第13回 薬剤利用増加による効率化効果は未決

2015年10月1日号

 図1は、『薬剤療法の価値①』で紹介した米CBO(議会予算局)の2012年11月報告の要約だ。CBOはこの報告で、メディケアにおける薬剤利用1%増は、ほかの医療費用を0.2%減らすとの相殺効果を公認した。これは、薬剤費抑制に反対する製薬業界の主張を限定的ながら受け入れたものだ。翌13年6月のアカデミー・ヘルス研究会議で報告された関連8研究を見ると、7研究が薬剤利用の減少(横軸左)はほかの費用増(縦軸上)、利用増加はほかの費用減にプロットされ、右肩下がりの傾向線になる。 今回取り上げる、B.A.ブリサッチャー(ノース・イースタン大学)らマサチューセッツの研究チームの「メディケア・パートDは健康結果や入院利用の全国トレンドに影響したか─時系列分析」は、CBOの判断は「時期尚早ではなかったか」と疑問を投げ掛ける研究だ(アナルズ・オブ・インターナル・メディシン15年6...  図1は、『薬剤療法の価値①』で紹介した米CBO(議会予算局)の2012年11月報告の要約だ。CBOはこの報告で、メディケアにおける薬剤利用1%増は、ほかの医療費用を0.2%減らすとの相殺効果を公認した。これは、薬剤費抑制に反対する製薬業界の主張を限定的ながら受け入れたものだ。翌13年6月のアカデミー・ヘルス研究会議で報告された関連8研究を見ると、7研究が薬剤利用の減少(横軸左)はほかの費用増(縦軸上)、利用増加はほかの費用減にプロットされ、右肩下がりの傾向線になる。 今回取り上げる、B.A.ブリサッチャー(ノース・イースタン大学)らマサチューセッツの研究チームの「メディケア・パートDは健康結果や入院利用の全国トレンドに影響したか─時系列分析」は、CBOの判断は「時期尚早ではなかったか」と疑問を投げ掛ける研究だ(アナルズ・オブ・インターナル・メディシン15年6月1

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