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医政羅針盤

医薬品産業への危機感を示す「総合戦略」

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2015年10月1日号

 厚生労働省が9月4日に発表した「医薬品産業強化総合戦略」には、医薬品産業の将来への強い危機感が示されている。それは、冒頭部分で、「創薬を巡る国際競争は厳しさを増す一方であり、我が国として産業構造やイノベーションを生み出す力が現状のままでは、日本の創薬産業は生き残りが困難な状況となる」と述べられていることに、はっきりと表れている。 他方で、「総合戦略」に盛り込まれている方向性の多くは、具体的な対応策は別としても、医薬品産業の課題として以前から指摘されてきたことである。厚労省は、医薬品産業の将来像や、イノベーションの推進策をこれまでも繰り返し打ち出してきた。今回の「総合戦略」もその延長線上にあり、多くの点で、至極もっともな内容が盛り込まれている。問題は、いくら「戦略」や「ビジョン」を出しても、医薬品産業自身が実際にどう対応するかという点であ...  厚生労働省が9月4日に発表した「医薬品産業強化総合戦略」には、医薬品産業の将来への強い危機感が示されている。それは、冒頭部分で、「創薬を巡る国際競争は厳しさを増す一方であり、我が国として産業構造やイノベーションを生み出す力が現状のままでは、日本の創薬産業は生き残りが困難な状況となる」と述べられていることに、はっきりと表れている。 他方で、「総合戦略」に盛り込まれている方向性の多くは、具体的な対応策は別としても、医薬品産業の課題として以前から指摘されてきたことである。厚労省は、医薬品産業の将来像や、イノベーションの推進策をこれまでも繰り返し打ち出してきた。今回の「総合戦略」もその延長線上にあり、多くの点で、至極もっともな内容が盛り込まれている。問題は、いくら「戦略」や「ビジョン」を出しても、医薬品産業自身が実際にどう対応するかという点であり

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