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大型抗体医薬が開花

第60回 期待高まる「抗PCSK9抗体」

生島准

2015年9月15日号

 7月21日の欧州医薬品庁(EMA)に続き、8月27日、米国食品医薬品局(FDA)は米アムジェンの大型抗体医薬「レパサ」(エボロクマブ)を認可した。米国では9月第1週から発売された。日本でもアステラス・アムジェン・バイオファーマが3月に申請している。  これまで大型抗体医薬といえば、抗がん剤と相場が決まっていたが、レパサは高脂血症治療薬である。抗がん剤以外で抗体医薬が久々に製品化された。昨年のがん免疫チェックポイント阻害剤、抗PD1抗体に続き、抗体医薬の実用化の第二波がいよいよ到来したと言えよう。年内には喘息薬の大型抗体医薬が誕生する可能性もある。  この第二波の特徴は分子レベルでの疾患発生のメカニズムに基づいて、抗体医薬が生体のシステムを巧みに調節することである。第一波では抗腫瘍壊死因子抗体を除き、がんと正常細胞の分子レベルの量的な...  7月21日の欧州医薬品庁(EMA)に続き、8月27日、米国食品医薬品局(FDA)は米アムジェンの大型抗体医薬「レパサ」(エボロクマブ)を認可した。米国では9月第1週から発売された。日本でもアステラス・アムジェン・バイオファーマが3月に申請している。  これまで大型抗体医薬といえば、抗がん剤と相場が決まっていたが、レパサは高脂血症治療薬である。抗がん剤以外で抗体医薬が久々に製品化された。昨年のがん免疫チェックポイント阻害剤、抗PD1抗体に続き、抗体医薬の実用化の第二波がいよいよ到来したと言えよう。年内には喘息薬の大型抗体医薬が誕生する可能性もある。  この第二波の特徴は分子レベルでの疾患発生のメカニズムに基づいて、抗体医薬が生体のシステムを巧みに調節することである。第一波では抗腫瘍壊死因子抗体を除き、がんと正常細胞の分子レベルの量的な差を

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