深層◎日本の医療
高齢者が医薬品を「使えなくなる日」
消費税増税に食費上昇、製薬会社は苦境に
2015年9月1日号
東京都内の100床に満たない中小病院。その日の朝に退院する患者はベッドの上で薬剤師を待っていた。退院後の医薬品の飲み方を話すと言われたからだ。薬剤師が持ってきたビニール袋のなかに複数の薬袋があった。患者はその薬袋から医薬品を取り出した薬剤師の説明を受けるのだが、目を丸くした。
「先生、これ胃薬3種類ありませんか」
「ドクターの指示でして、こちらが内科のドクター、こちらが外科のドクターから出ています」
「両方飲まなければならないのでしょうか」
「指示ですので」
「……」
この患者は入院前から降圧剤と胃薬、ビタミン剤を服用していた。そこに内科から追加の降圧剤、抗菌剤、抗潰瘍剤、整腸剤、便秘薬が出され、外科からは鎮痛剤、別の抗潰瘍剤、貼付剤の11種類が出された。
この患者は途中から、その半分は飲まなくなった。
東京都内の100床に満たない中小病院。その日の朝に退院する患者はベッドの上で薬剤師を待っていた。退院後の医薬品の飲み方を話すと言われたからだ。薬剤師が持ってきたビニール袋のなかに複数の薬袋があった。患者はその薬袋から医薬品を取り出した薬剤師の説明を受けるのだが、目を丸くした。
「先生、これ胃薬3種類ありませんか」
「ドクターの指示でして、こちらが内科のドクター、こちらが外科のドクターから出ています」
「両方飲まなければならないのでしょうか」
「指示ですので」
「……」
この患者は入院前から降圧剤と胃薬、ビタミン剤を服用していた。そこに内科から追加の降圧剤、抗菌剤、抗潰瘍剤、整腸剤、便秘薬が出され、外科からは鎮痛剤、別の抗潰瘍剤、貼付剤の11種類が出された。
この患者は途中から、その半分は飲まなくなった。
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