医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

QALY評価「禁止」の国はない

第2回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2015年9月1日号

 前回8月1日号は、広義のHTAと狭義のHTAの違いと、2つの定義を取り違えたことによる「濡れ衣」の例を紹介した。今回からは何回かに分けて、QALY (質調整生存年) の定義・議論とよくある誤解を紹介していきたい。 業界誌さらには一般の新聞でも(稀ではあるが)質調整生存年(QALY)という言葉を目にするようになったことは、この分野の人間として素直に喜ばしいことである。もっとも、広く目にするようになった分、誤解のタネは尽きない。「HTAを叩くにはとりあえずQALYを叩け」、もしくは「HTA憎けりゃQALYまで憎し」のごとき議論も少なくない。賛否いずれの立場をとるにせよ、正しく理解したうえでの議論が必要だ。 本稿の読者の方には既知のことかもしれないが、まずはQALYの概念をおさらいしておこう。費用対効果評価の基本は、当然ながらお金(費用)と効き目...  前回8月1日号は、広義のHTAと狭義のHTAの違いと、2つの定義を取り違えたことによる「濡れ衣」の例を紹介した。今回からは何回かに分けて、QALY (質調整生存年) の定義・議論とよくある誤解を紹介していきたい。 業界誌さらには一般の新聞でも(稀ではあるが)質調整生存年(QALY)という言葉を目にするようになったことは、この分野の人間として素直に喜ばしいことである。もっとも、広く目にするようになった分、誤解のタネは尽きない。「HTAを叩くにはとりあえずQALYを叩け」、もしくは「HTA憎けりゃQALYまで憎し」のごとき議論も少なくない。賛否いずれの立場をとるにせよ、正しく理解したうえでの議論が必要だ。 本稿の読者の方には既知のことかもしれないが、まずはQALYの概念をおさらいしておこう。費用対効果評価の基本は、当然ながらお金(費用)と効き目(

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