医薬経済オンライン

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眺望「医薬街道」

見過ごせない日医の「医師充足論」

近藤正觀

2015年9月1日号

 日本医師会総合政策研究機構は7月8日、「病院における必要医師数調査結果」を公表した。横倉義武・日医会長は調査結果に関し「医師の絶対数は充足しつつある」とした一方、医師の地域偏在や診療科の偏在が問題の本質との考えを示した。今回の日医の調査結果は不足医師の絶対数は明記せず、必要求人医師数倍率を用いて報告している。地区別に〇〇地区は〇人不足と発表するには抵抗があったと想像する。 日医総研の報告を精査すると、「必要求人医師数倍率」は1.06倍で、単純比較はできないと断りつつも、10年の厚生労働省調査の1.11倍より低減し、医師は以前より増加して充足しつつあるとしている。しかし、この結果は文部科学省が大学医学部の定員を08年から増枠させてきた結果に過ぎない。厚労省の調査結果である1.11倍は調査当時の医師数16万7000人に対して、現実に求められている1万8000人を加えた...  日本医師会総合政策研究機構は7月8日、「病院における必要医師数調査結果」を公表した。横倉義武・日医会長は調査結果に関し「医師の絶対数は充足しつつある」とした一方、医師の地域偏在や診療科の偏在が問題の本質との考えを示した。今回の日医の調査結果は不足医師の絶対数は明記せず、必要求人医師数倍率を用いて報告している。地区別に〇〇地区は〇人不足と発表するには抵抗があったと想像する。 日医総研の報告を精査すると、「必要求人医師数倍率」は1.06倍で、単純比較はできないと断りつつも、10年の厚生労働省調査の1.11倍より低減し、医師は以前より増加して充足しつつあるとしている。しかし、この結果は文部科学省が大学医学部の定員を08年から増枠させてきた結果に過ぎない。厚労省の調査結果である1.11倍は調査当時の医師数16万7000人に対して、現実に求められている1万8000人を加えた医

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