塩野義製薬の「手代木マジック」
外資相手に“連戦連勝”の交渉術
(株)薬新 井高恭彦
2015年8月15日号
塩野義製薬が、ここ数年、提携外資との契約変更を、自社に有利なかたちで次々に決着させている。一つひとつに焦点を当てると「業師」とも言うべき交渉の巧みさが浮き彫りになる。
武田薬品が糖尿病治療薬「アクトス」を巡る米国での訴訟解決に赤字覚悟で約2800億円の和解金を投入、第一三共が散々、悩まされた、かつての子会社ランバクシーとの関係を完全に断ち切るなど大型の経営決断ニュースが続き、その陰に埋もれがちだが、今年4月、塩野義は、またひとつ特筆すべき契約変更をモノにしている。
これまで国内で日本イーライリリーと2社で併売していた、うつ病及び疼痛治療薬「サインバルタ」の販売をリリーに一本化し、塩野義は、それを支援するコ・プロモーションに徹することになった。リリーから売上げに応じて、コ・プロのフィーを受け取る。併売時の売上げはリリーのほうが大きかったが、...
塩野義製薬が、ここ数年、提携外資との契約変更を、自社に有利なかたちで次々に決着させている。一つひとつに焦点を当てると「業師」とも言うべき交渉の巧みさが浮き彫りになる。
武田薬品が糖尿病治療薬「アクトス」を巡る米国での訴訟解決に赤字覚悟で約2800億円の和解金を投入、第一三共が散々、悩まされた、かつての子会社ランバクシーとの関係を完全に断ち切るなど大型の経営決断ニュースが続き、その陰に埋もれがちだが、今年4月、塩野義は、またひとつ特筆すべき契約変更をモノにしている。
これまで国内で日本イーライリリーと2社で併売していた、うつ病及び疼痛治療薬「サインバルタ」の販売をリリーに一本化し、塩野義は、それを支援するコ・プロモーションに徹することになった。リリーから売上げに応じて、コ・プロのフィーを受け取る。併売時の売上げはリリーのほうが大きかったが、コ
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