医薬経済オンライン

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読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

霊に近づいた人の死生観も見える

第31回

鍛冶孝雄

2015年8月15日号

 都会ではわからないことが、田舎では強く実感されることがある。いわゆる生老病死は、都会では身近には見えにくく、田舎では比較的身近に存在する。戦後の医療制度は、実はその身近さを全国的に均し、遠のける役割を果たしてきた側面があり、今回の話は、やや時間を巻き戻してほしいと思う。  今回から2回にわたって、南木佳士氏の作品をとりあげる。南木氏は長野県の佐久総合病院の医師であり、芥川賞受賞作家。実は、読書子の私には、南木氏の著作を紹介するのは荷が重い。これまでにも、何作か読んだことがあるが、ほとんどの作品の澄んだ感性、自然と一体となった透明な読後感は、どのように表現しても実に平凡で空疎なただの「感想文」にしかならないのではないかと怖れてしまうからだ。それでも、南木ワールドに絡め取られることを覚悟のうえで、作品のなかに描かれる医療を中...  都会ではわからないことが、田舎では強く実感されることがある。いわゆる生老病死は、都会では身近には見えにくく、田舎では比較的身近に存在する。戦後の医療制度は、実はその身近さを全国的に均し、遠のける役割を果たしてきた側面があり、今回の話は、やや時間を巻き戻してほしいと思う。  今回から2回にわたって、南木佳士氏の作品をとりあげる。南木氏は長野県の佐久総合病院の医師であり、芥川賞受賞作家。実は、読書子の私には、南木氏の著作を紹介するのは荷が重い。これまでにも、何作か読んだことがあるが、ほとんどの作品の澄んだ感性、自然と一体となった透明な読後感は、どのように表現しても実に平凡で空疎なただの「感想文」にしかならないのではないかと怖れてしまうからだ。それでも、南木ワールドに絡め取られることを覚悟のうえで、作品のなかに描かれる医療を中心に

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