医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

地域包括ケアの誤解、在宅医療は万能ではない

第3回

東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳

2015年8月1日号

 今回は地域包括ケアに求められる医療のあり方を問いたい。13年8月の社会保障制度改革国民会議報告書には従来の「治す医療」からQOL(生活の質)を重視した「治し、支える医療」への転換を盛り込んでいる。さらに、高齢者人口の増加に伴い、認知症など慢性疾患の患者や、複数の疾病を抱える高齢の患者が増えるとして、これまでの病院中心の医療ではなく、在宅医療を中心とした地域完結型のシステムに切り替える必要性も指摘している。こうした方向性自体は正しく、いくつかの地域では先進的な取り組みが進みつつある。 だが、「治し、支える医療」と「在宅医療」は同じ意味ではない。病院で行われている「治す医療」を在宅で展開しただけでは、提供場所が自宅に変わるだけであり、「治し、支える医療」とならないためである。地域包括ケアに求められる医療とは、患者や住民の生活を支えるプライマリ...  今回は地域包括ケアに求められる医療のあり方を問いたい。13年8月の社会保障制度改革国民会議報告書には従来の「治す医療」からQOL(生活の質)を重視した「治し、支える医療」への転換を盛り込んでいる。さらに、高齢者人口の増加に伴い、認知症など慢性疾患の患者や、複数の疾病を抱える高齢の患者が増えるとして、これまでの病院中心の医療ではなく、在宅医療を中心とした地域完結型のシステムに切り替える必要性も指摘している。こうした方向性自体は正しく、いくつかの地域では先進的な取り組みが進みつつある。 だが、「治し、支える医療」と「在宅医療」は同じ意味ではない。病院で行われている「治す医療」を在宅で展開しただけでは、提供場所が自宅に変わるだけであり、「治し、支える医療」とならないためである。地域包括ケアに求められる医療とは、患者や住民の生活を支えるプライマリ・

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