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薬剤経済学

薬剤療法の価値

第9回 がん医療の支出水準は見合う便益を実現

近藤正觀

2015年8月1日号

 高額な米国医療のパフォーマンスには議論が多いが、少なくとも急性疾患、難しい疾患の治療レベルは世界で群を抜いているというのが、米国民の自慢であり〝慰め〟である。〈ケアの質調整費用〉を提唱したD.ラクダワラ(南カリフォルニア大学)、今回と次回紹介するW.スティーブンス(プレシジョン・ヘルス・エコノミクス)、T.フィリップソン(シカゴ大学)らはがん医療を例に、高い医療費水準は臨床結果に結実していると立証を試みてきた。「がん死亡率の減少は1995〜2007年のがん医療費支出増がもっとも大きかった国々でもっとも大きい」は、国際比較に基づく結論である(ヘルス・アフェアーズ2015年4月)。 16ヵ国を、支出水準と増加率が高い4、中間の8、低い4で分析した。抽出した5ヵ国(表1)でも、高い群に属する日本の死亡率改善度は小さく、中間のフランスは支出を増やさず改善を実現、低い...  高額な米国医療のパフォーマンスには議論が多いが、少なくとも急性疾患、難しい疾患の治療レベルは世界で群を抜いているというのが、米国民の自慢であり〝慰め〟である。〈ケアの質調整費用〉を提唱したD.ラクダワラ(南カリフォルニア大学)、今回と次回紹介するW.スティーブンス(プレシジョン・ヘルス・エコノミクス)、T.フィリップソン(シカゴ大学)らはがん医療を例に、高い医療費水準は臨床結果に結実していると立証を試みてきた。「がん死亡率の減少は1995〜2007年のがん医療費支出増がもっとも大きかった国々でもっとも大きい」は、国際比較に基づく結論である(ヘルス・アフェアーズ2015年4月)。 16ヵ国を、支出水準と増加率が高い4、中間の8、低い4で分析した。抽出した5ヵ国(表1)でも、高い群に属する日本の死亡率改善度は小さく、中間のフランスは支出を増やさず改善を実現、低いイ

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