老医師のつぶやき
思い込みの日本人
第40回
吉原忠男(前埼玉県医師会長)
2015年8月1日号
長い間、このエッセイ・シリーズを続けさせていただいてきたが、いつも考えていたことは、日本人のいいところ悪いところをいろいろな角度から見直してみたい、という気持ちだった。日本人が日本人を正確に依怙贔屓なく判断することは困難だといわれている。どうしても身贔屓の思い込みが混じりこんでしまうのだろう。だからいろいろな意見が出てきて当然だ。
しかし、日本人の一般的性格、つまり政治的、経済的、芸術的、道徳的、喜怒哀楽の情感などは、ほとんどの人に共通するものがあると思っている。歴史的環境や気候風土的環境が大きく国民性に影響し続けてきているせいもある。2000年ほど続いた封建制度のなかで、日本人は上に弱く下に強く威張りたがる傾向になった。地域偏重性も身についた。他の面では、近代日本になって、植民地主義の列強による浸蝕と戦いながら、自身の戦略的資質や武器...
長い間、このエッセイ・シリーズを続けさせていただいてきたが、いつも考えていたことは、日本人のいいところ悪いところをいろいろな角度から見直してみたい、という気持ちだった。日本人が日本人を正確に依怙贔屓なく判断することは困難だといわれている。どうしても身贔屓の思い込みが混じりこんでしまうのだろう。だからいろいろな意見が出てきて当然だ。
しかし、日本人の一般的性格、つまり政治的、経済的、芸術的、道徳的、喜怒哀楽の情感などは、ほとんどの人に共通するものがあると思っている。歴史的環境や気候風土的環境が大きく国民性に影響し続けてきているせいもある。2000年ほど続いた封建制度のなかで、日本人は上に弱く下に強く威張りたがる傾向になった。地域偏重性も身についた。他の面では、近代日本になって、植民地主義の列強による浸蝕と戦いながら、自身の戦略的資質や武器生産
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