医薬経済オンライン

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対談 異端が変えた「日本の医療界」

後編

土井 脩(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長) 福島雅典(先端医療振興財団臨床研究情報センター センター長) 司会:ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2015年7月15日号

 抗ウイルス薬の「ソリブジン薬害事件」や「イレッサ」の問題では、それぞれが違う立場で関わってきた。ともに制度や仕組みに警鐘を鳴らしたわけだが、臨床研究を巡って「ディオバン」のデータ操作事件が起きてしまった。前回に続く異端児対談で、これらの事件を振り返りつつ、未来の医薬品のあり方について語ってもらった。──後半戦はまず、イレッサの問題から話し合いましょうか。 福島 イレッサは、がんの分子標的薬として華々しく登場してきた。メディアは持ち上げたし、肺がんの専門家はキャンペーンに近いことをして強力に推し進めたと思う。標的になるタンパク分子さえ決めることができれば、薬をつくることは簡単にできる。でも、がんに特異的というが、量の問題で、その標的分子が正常な細胞にもあるとしたら、重大なことが起きるに決まっている。だから、「副作用がないはずがない」と私は...  抗ウイルス薬の「ソリブジン薬害事件」や「イレッサ」の問題では、それぞれが違う立場で関わってきた。ともに制度や仕組みに警鐘を鳴らしたわけだが、臨床研究を巡って「ディオバン」のデータ操作事件が起きてしまった。前回に続く異端児対談で、これらの事件を振り返りつつ、未来の医薬品のあり方について語ってもらった。──後半戦はまず、イレッサの問題から話し合いましょうか。 福島 イレッサは、がんの分子標的薬として華々しく登場してきた。メディアは持ち上げたし、肺がんの専門家はキャンペーンに近いことをして強力に推し進めたと思う。標的になるタンパク分子さえ決めることができれば、薬をつくることは簡単にできる。でも、がんに特異的というが、量の問題で、その標的分子が正常な細胞にもあるとしたら、重大なことが起きるに決まっている。だから、「副作用がないはずがない」と私は言

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