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中外の創造性を「証明」したACE910

第70回

バークレイズ証券 株式調査部 関篤史

2015年7月15日号

 15年6月にトロントで開催されたISTH(国際血栓塞栓症会議)で公表された、中外製薬の血友病治療剤「ACE910」の第Ⅰ/Ⅱ相試験結果は、作用機序の新規性と臨床的ベネフィットの点から、注目を集めるものであった。  ACE910は皮下注射で週1回の投与、インヒビター(中和抗体)発生の懸念なし、という利点を有する。我われは、25年にグローバル売上高51億ドルと予想しており、中外にとって次期主力品になる可能性があると考える。  バイスペシフィック抗体のACE910は、活性型第Ⅸ因子及び第Ⅹ因子と同時に結合し、第Ⅷ因子と同様の出血抑制機能を発揮する。これにより、既存治療剤である遺伝子組換え型第Ⅷ因子製剤の代替となり得る。第Ⅷ因子と第Ⅸ因子は2ヵ所で結合し、A2サブユニット及び重鎖、そして第Ⅷ因子の軽鎖(A3、C1、C2サブユニット)及び第Ⅹ因子の軽鎖が結合する。第Ⅷ因子と第Ⅹ因...  15年6月にトロントで開催されたISTH(国際血栓塞栓症会議)で公表された、中外製薬の血友病治療剤「ACE910」の第Ⅰ/Ⅱ相試験結果は、作用機序の新規性と臨床的ベネフィットの点から、注目を集めるものであった。  ACE910は皮下注射で週1回の投与、インヒビター(中和抗体)発生の懸念なし、という利点を有する。我われは、25年にグローバル売上高51億ドルと予想しており、中外にとって次期主力品になる可能性があると考える。  バイスペシフィック抗体のACE910は、活性型第Ⅸ因子及び第Ⅹ因子と同時に結合し、第Ⅷ因子と同様の出血抑制機能を発揮する。これにより、既存治療剤である遺伝子組換え型第Ⅷ因子製剤の代替となり得る。第Ⅷ因子と第Ⅸ因子は2ヵ所で結合し、A2サブユニット及び重鎖、そして第Ⅷ因子の軽鎖(A3、C1、C2サブユニット)及び第Ⅹ因子の軽鎖が結合する。第Ⅷ因子と第Ⅹ因子

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